勝手にひと月ほど夏休みをいただいていたブログですが、また更新していきたいと思います。
(勝手に夏休みの間も仕事自体はしっかりとやっておりました)
その間で大学の視察が2件あり、久しぶりにプレゼン資料を作って10名ほどの前で発表する機会を得ました。
会社を立ち上げて4ヶ月と少しで、それほど余裕もないですし、会社の事業外のことに追われて事業に支障を来すのは本末転倒なので引き受けるかどうかは慎重に していて、実際お断りしたことも何度かあります。
基本的には受けるメリットがこっちにあるかどうかで決めています。
両大学の視察は担当の方がしっかりその目的を伝えてくれて、相互に意見交換しやすい環境を整えてくださったので、少なくとも我々にとっては実りある視察対応となりました。
(視察料もきっちりお支払いいただいてます)
<大阪大学>
ご一行の中に対馬出身の方がおられて、お会いしたことはなかったのですがFacebookで繋がっていたのでメッセージをいただき、視察の趣旨を丁寧に伝えてくださったのでお引き受けしました。
大阪大学の大学院生、先生が来られて、 ブルーツーリズム体験と発表を聞いていただきました。
<九州大学>
こちらは僕が昨年度担当していた域学連携事業絡みで知り合いになった先生がコンタクトをとってくださり、対馬内のいろいろな会社や人物を訪ねて回るという視察プログラム の中でフラットアワーの話を入れたいとのことで、我々が話題提供する意義がはっきりしていたのでお引き受けいたしました。
発表を聞いていただき、田ノ浜の民泊も体験していただきました。
視察プログラム全体の感想は九大の上妻さんが書いてくれています。
両大学で行った発表内容は以下のとおりです。
「4.今、地域おこしで欠如している大切なこと」は担当の方からそのような作り込みを依頼された(と僕が感じた)ので、九大の発表でのみ行いました 笑
日本の漁業問題がなぜ起こっているのかや我々が行っている漁業、直販業が「持続可能な水産業」とどのように結びついているのかに関する質問が多く寄せられました。
また、個人で漁業を行わずになぜ会社を立ち上げたのかも関心が高かったようです。
あとはやはり収益やプロダクトのプライシングに関わる質問がどちらの大学でも出されました。
特に九州大学の視察では、他の団体さんを回られた後、我々が最後の視察だったことや、「行政に依存するのではなく、相互に依存する関係性を地域住民側が要請して、構築していく必要がある」というメッセージをプレゼンでちりばめました。
その結果、「お前ら、食えてんのか?」から始まり、経済的な豊かさに関わる議論が行われました。
これは僕たちがまさにこれからしっかり結果を出していかないといけないところで、大げさにいえば「人生をかけた実験」です。
0からスタートして、本当に対馬の資源を活用して食べていけるのか、家族をもって養っていけるのか、どの段階までどのぐらいの時間をかけて作っていけるか、これはまだわからないことです。
ただ、会社をスタートして4ヶ月と少しの時点で、「食っていく」というレベルはしっかりできるという自信がついてきました。
行政に依存することなく、企業として税金を納めながら、手取りの金額で生活し、少しは貯金ができるレベルです。
残念ながら起業の際に出した初期投資分をすべて回収するという段階にはきていません。
早く回収してしまいたい一方で、「持続可能な水産業の実現」という理念を掲げながら収益も両立させる点では今が踏ん張りどころで、我慢が必要と思っています。
資源量が明らかに低水準になっている魚はたとえ単価が高くても事業では取り扱わないこと、思いつくすべての手段を試す事なく行政のお金による援助は受けないことは、このような理念を掲げる企業として守るようにしています。(ちなみに今までは行政の補助金、助成金は一切使っておらず、使う予定もありません)
僕たちの漁業では3〜6kgほどのクロマグロ(地元ではヨコワと呼ばれる)が混獲されるのですが、状態がいいものはリリースし、漁具のかかる場所が悪く出血がひどい場合はしっかり処理をした上でさばき、自分たちで食べたり、地元で配ったりしています。
(ヨコワは高値で取引されるため、地元の人たちはあまり食べる機会がないので配ると喜んでくれます笑)
今シーズンは10匹ほど食べたり配ったりしました。
もう一つ、質問が多かったのは「魚は捌いて送ってくれないのですか?」というものです。
この質問は両大学だけでなく、多くのお客様から問い合わせがあります。
魚に包丁を入れる行為は「加工」になるため、保健所の許可を得た加工場で行う必要があり、現在我々はそのような加工場を有していないのでお客様のニーズに答えられていない状況にあります。
両大学の視察での指摘を受けて、やはり加工のニーズに気づかされたので この点はなるべく早く体制を整えられるように努めたいと思います。
両大学の参加者のみなさんがかなり突っ込んで質問してくださったので、視察を受け入れたこちら側も思考が整理され、進むべき道を確認できました。
わざわざ田ノ浜までお越し下さり、ありがとうございました!
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