2012年2月14日火曜日

理系のためのクラウド知的生産術

先週末ざーと読んだ,

理系のためのクラウド知的生産術/堀正岳

について.

 

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日頃から著者のブログを見ているので,それほど目新しいツールは無かったが,

研究者向けに書かれているため,

「ああ,こういうシーンでこういう使い方をするのか」

という気づきはいくつかあった.

 

一方で,

研究で,そこまでいろいろなクラウドサービスを使い倒す必要があるか??

という感想も持った.

 

特に,

Googleドキュメントを使って共同で論文を執筆したり,

Mendeleyの論文情報を共有したり

といった他者と共有する事に関しては,そこまでメリットがあると思えない.

共同研究者がそういったクラウドサービスに精通していて,利用に同意してくれた場合はいいが,

そうでなければ,

クラウドを利用することのメリットを説明し,使い方を教えなくてはいけない.

その労力を払ってまでGoogleドキュメントやMendeleyの共有サービスを導入するメリットがあるかどうか....

 

「もしDropbox使っていたら,論文wordファイル共有しましょうか?」

ってぐらいのシンプルな使い方が一番費用対効果が大きい気がする.

 

と,不平をもらしたが,それは使いこなしている著者への嫉妬であったりもする.

クラウドを利用するか,また,どの程度利用するか,はさておき,

研究生活で大事なことがちりばめられていると思うので,読んでみると良いと思う.

 

以下は各章の感想です.

 

第1章 クラウドサービスを使った仕事術

 

この章では,

googleのサービス,Dropbox,Evernoteの3つのクラウドサービスを利用することを薦めている.

 

•googleのアカウントを作って,gmailやgooleカレンダーなどのサービスを使う

•Dropboxを使って,複数台のパソコンやスマートフォンで同じファイルにアクセスできるようにする.

•Evernoteを使って,ノート作成やウェブクリップをして,情報を収集する.

 

まあ,googleのサービス(gmail,リーダーなど),Dropboxは便利で,俺もかなりお世話になっている.

ただ,Evernoteは動作がもっさりしているので,素早くメモを取ったりするときに使い勝手が悪い.

今ではTwitterのログや料理レシピのウェブクリップの集約場所となっていて,研究では使っていない.

 

第2章 メールに振り回されない環境をつくる

 

この章では,まず転送機能を使って,すべてのメールがgmailにくるように設定し,

gmailの優秀なフィルター機能によって,重要なメール以外をふるいにかけることを薦めている.

俺はMail.appで複数のメールアカウントを管理していて,Mail.appのフィルタ機能を使っている.

それで,特に問題はないので,gmailに全部転送する必要性をあまり感じない.

 

「英文メールはEvernoteにテンプレートを作っておく」という節があるが,これはいい.

Evernoteはもっさりしているので使わないが,他のメモアプリに作っておくと便利かもしれない.

特に投稿論文のカバーレターなどはほとんどフォーマット決まってるから.

 

第3章 手間をかけない論文管理法

 

この章ではDropboxに論文PDFを入れて,その情報をMendeleyで管理することを薦めている.

 

俺はいままで,

Endnoteを使って論文情報とPDFを管理していたが,Endnoteは値段がすこぶる高い.

その割に,値段に見合う扱いやすさや機能があるかというと,正直??だった.

 

でも,

論文管理=Endnote

だったので,使い続けていた.

この章を読んで,Mendeleyを使ってみたが,結構使い勝手がよい.

いままでEndnoteで使っていた機能は全部あるし,無料だし,導入の価値あり?

 

ただ現時点で,論文以外にも自炊本などのPDFがたくさんあるので,

PDFの管理アプリとしてYepってのを使っている.

これが便利なので,普段の論文管理はYepでやって,

投稿論文のリファレンス作りの時だけMendeleyを使おうかな.

 

Yepについてはまた記事にします.

 

論文ノートをEvernoteで作る事を薦めているが,俺はここに関してはまだまだ紙媒体派.

 

第4章 アイデアをなくさない情報整理法

 

Evernote推しの章.もっさり間が無くなれば検討してみる.

GTDに関しては昔このブログでも取り上げたけど,実践の価値ありだと思う.

でもこれも慣れるまでは,紙媒体のほうがストレスなく行える気がする.

俺はいろいろなGTDアプリを試した結果,紙派となった.

 

第5章 クラウド上で論文を書く

 

Googleドキュメントで論文を執筆することを薦めている.

一つの論文を複数台のパソコンで執筆する場合(例えば職場と家とか),

すべてのパソコンにWordなどの文書作成ソフトを入れるのが手間なので,

インストールの必要がないGoogleドキュメントを利用しようということらしい.

確かに読む限り,Mendeleyとの連携によるリファレンス作成や図表の管理など,

Googleドキュメントには論文作成に必要な機能が備わっているようである.

 

まあ,今のやり方で不具合が生じたら検討してみる一つの方法

って感じで頭の片隅に置いておこう.

 

第6章 時間も空間も超えるコラボレーション術

 

SkypeとかFacebookとかブログとか.

Skypeは遠くにいる共同研究者と打ち合わせたりするときに便利かもしれない.

が,所内のネットワークを使ってSkypeする事が禁止されてるので,導入できない.

 

また,コラボレーションってのは時間や空間を共にしないと成立しづらいと思うので,

あまりこの章の主張には同意できないところがある.

 

第7章 細かい時間を稼ぐテクニック集

 

自炊して,文章をiPadに入れる手段としてのクラウドとか,

ブックマークとパスワード同期のためのクラウドとか.

この章では研究活動のためのクラウド導入というよりは,

研究時間を確保するために,研究以外の時間節約のためのクラウド導入といった感じ.

 

 

 

 

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