SST画像が気に入ったので,昨日に引き続き画像を添付します.
昨日書いたように,海洋学の知識を持って、SSTの分布を見るといろいろと想像が膨らみます.
M1の時に受けた講義で,教授がこのSSTの分布のスライド1枚で1コマ授業をしたのを覚えています.
その時は,
他の話は無いんかい!
と思ったのですが,いろいろと海洋の知識をつけると,この1枚の図が様々な現象を示すことを知りました.
まあ,今回はorthodoxにエルニーニョとラニーニャです.
図はエルニーニョ(スペイン語:El Niño)であった1997年8月と,ラニーニャ(スペイン語:La Niña)であった2007年8月のSST分布です.
2007年は西向きの貿易風が強いのでペルー沖では湧昇がおき,23ºC以下の低水温の水塊がみられます.
また,インドネシア辺りには吹き寄せられた28ºC以上の暖かい水塊が確認できます.
一方,1997年では貿易風が弱まって,西にあった暖水塊が東の方まで延びています.
さらにペルー沖では湧昇が弱く,23ºC以下の冷水塊の沖への張り出しが弱まっています.
太平洋規模でこのような水塊の移動が起こると,陸地にもかなり大きな影響を及ぼします.
1997年エルニーニョのときには,日本では大暖冬でした.
東南アジアやオーストラリアでは小雨,乾燥で森林火災が多発するなど,深刻な被害がでました.
衛星データは毎日のように更新されるので,衛星のSSTの分布をモニターすることで,エルニーニョやラニーニャを予測出来るようになってきています.
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