2008年9月16日火曜日

解析の追加

今日は午前中に思い切って解析を進めました。

海洋の流れの観測データは、時間、空間的にすごく少ないので、この分野でモデルを使うことがかなり当たり前となりつつあります。

モデルってのは、これまでの海洋観測データと、風などの大気の外力を与えて、これまでに分かっている流体の運動方程式から計算して、パソコン上で仮想的な海を作ったものです。
もちろん、理想とするのは実際の海洋の復元です。

近年、この分野は目覚ましい発展を遂げていて、俺も修士から使い始めました。
俺は修士研究でモデルの流れのデータを使って、ウナギの仔魚が産卵場から日本までどのようにくるのかといった研究をしました。
データには流れの速さとその向きが入っていて、産卵場付近でリリースした粒子をその流れに乗せて計算を行います。
感覚的には海面にブイを落としてその行方を追う感じ。

その結果を論文にしてるわけですが、なんせ解析が甘い!

一番の問題点は
ウナギの仔魚をブイのような完全に受動的な粒子と見なしてモデルで計算していいのかということ。

ウナギの仔魚はレプトケファルスとよばれていて、透明で葉っぱのような形をしています。
この形態は海流に乗って輸送されやすくするためと考えられているので、水平的には受動的であると考えていいと思います。
しかし、鉛直的(水深方向)には夜に餌の多い表層に入り、昼には捕食者の多い表層から逃れるため大きく移動していることが分かっています。
これを日周鉛直移動というのですが、修士論文ではこのことを考慮せずに解析を行いました。
それは、日周鉛直移動の効果が小さいだろう=昼と夜の水深でそれほど流れに差がないだろうと考えていたからです。
また、単純にそういった複雑なプログラムを組むのが面倒だったからです。

しかし、改めて詳しく観測データを見てみると、北赤道海流域、特にフィリピンの東岸では流速が異なることが多く、さらにその向きまで違う海域もあることがわかりました。
これは大変。
論文のエディターにつつかれるのは必至ってことで、プログラムを組んでみました。
昼は150m、晩は50mというように粒子に鉛直的な運動を与えました。

今、メインのパソコンで計算中なのですが、いい結果になるよう祈ってます。
待ち時間でノートパソコンを使って書きました〜。

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