2011年12月13日火曜日

「D1だったころの自分に言ってやりたい」と思うことを今のD1に言ってみる

先週,今週の部屋ゼミで,D1が研究の進捗と今後の予定についてプレゼンした.

 

一人は,俺と研究対象種は異なるが,アプローチが似ていて,

もう一人はアプローチは違うが,同じ研究対象種の研究をしている.

なので,それぞれの研究について,専門的な部分について俺がアドバイスできるところはゼミ中にコメントした.

 

でも,今の研究の進め方が博士研究として適切か,という観点でのコメントはしていなかったので,

このエントリーで思うところを書きたいと思う.

 

まず,伝えたいことは,

「出来ると思っていること」と「実際に出来ること」の間には,思っている以上に開きがある.

ということ.

 

博士研究は,自力で3-5年で行わなければならない.

だから,人的にも時間的にも制約があることを念頭においたデザインを組まないといけない.

3年での学位取得を目指す場合,すでに1/4の時間を消費している.

2人ともについて言えることだけど,

残り2年ちょっとの期間で,「今後の予定」を遂行することは不可能じゃないか,

と俺は思った.

 

「だからもっと頑張れ」と言っている訳ではない(2人が努力しているのは知っているので).

今考えている「今後の予定」を見直す必要があるんじゃない?

と言いたい訳です.

 

「今後の予定」をどう見直し,修正するか,について

が伝えたいことpart2です.

 

もう一度,「問題を明らかにする,発見する」ことに力を入れよう.

ということ.

 

「自分が研究を行おうとしている,もしくは行うことが可能な領域で,未解決でかつ重要な問題とは何か」

をもっと明確にしなければいけない.

 

そのためには,研究領域のレビューを今まで以上に行って,

何が明らかになっているのかを正確に捉えないといけない.

そして,重要であるにも関わらず,明らかになっていないことを探すという作業が必要だと思う.

 

この作業をせず,今の進め方で研究を行っても,ひょんなことで未解決な問題が解決できるかもしれない.

けれど,その解決された問題は,研究領域の中でさほど重要な問題でなく,学位に値しないということになりかねない.

反対に,非常に重要な問題について扱ってはいるが,

より直接的なアプローチで既に解決されている問題の補助研究になってしまう可能性もある.

 

だから,直近の予定に「問題を明確にする,発見する」を追加してほしい.

 

以下に,俺が研究を行う上で役に立った書籍を載せておきます.

参考にしてみてください.

 

4758120056

 

やるべきことが見えてくる研究者の仕事術/島岡 要

この本はこのブログでも取り上げたことがあります.

 

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君たちに伝えたい3つのこと/中山 敬一

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